GRAM 乙女の祈りは罪深く (3) 「……ってぇとなんだ、つまり」 翌朝。 昨日の嵐がきれいに通り過ぎ、爽やかに晴れ渡った初夏を思わせる青空の下を、カーレルは歩いていた。 「まあ要するに、家族に内緒でひそかに付き合ってた恋人が、いきなり消えちまった。ってとこかねぇ」... 2020.09.15 GRAM乙女の祈りは罪深く
GRAM 乙女の祈りは罪深く (2) ミシェリーナ・クレオティス。 と、その蜂蜜色のふわりとした巻き毛と菫色の瞳を持った美少女は名乗った。 雨風に打たれて冷え切ってしまっている彼女を、ひとまずリラが空いた部屋に誘導して着替えさせてから、あらためて食堂に連れてくる。 ... 2020.09.15 GRAM乙女の祈りは罪深く
GRAM 乙女の祈りは罪深く (1) 嵐が訪れていた……。 吹きすさぶ強風と、叩きつけるような豪雨は、さながら滅びゆく天の断末魔のように地軸を揺るがしている。矮小な人間達が地べたに這いつくばるように築いた街の灯りも、強い風と雨の中にかき消されんばかりに、弱々しく揺らいでい... 2020.09.15 GRAM乙女の祈りは罪深く