ある四阿にて ある四阿にて 「やっほ、月読(つくよみ)ー」 霧雨が朧に視界を霞ませる中、石造りの古びた四阿(あずまや)で書物を開いていた月読は、不意の呼びかけに視線を持ち上げた。 淡い翡翠色の瞳が辿った先。四阿のすぐ傍ら、ふわりとまるで降ってわいたように、鮮や... 2020.09.16 ある四阿にて飛天魔行